『大好き! おじさん文庫』(深山さくら・著)
天気の良い日でした。
室内に吹き込む風は涼しく,気持ちよく過ごせる一日でした。
夕食に,初物のサツマイモとゴボウがありました。
秋の味覚を味わえるようになってきました。自然の恵みに感謝
午後,小学校を訪ねて校長先生からお話をうかがいました。
平成から令和へと移った一学期,子供や職員の話題,そして教育の課題と展望…。
“未来(あす)の教育”について考える時間でした。ありがとうございました。
1973年夏,ヒマワリが綺麗な花を咲かせていた山形県の羽黒第四小学校から話が始まります。
その翌年から42年間,毎月の手紙が子供達に“夢”を届け続けてきたことが綴られた『大好き! おじさん文庫』(文研ブックランド)です。
地区の青年部のキャンプの下見で小学校を訪れた27歳の青年が目にしました。
キャンプ中に入っていいい場所やだめな場所を,先生から教えてもらいながら,ろうかを歩いていると,小さな本だなに目がとまりました。 (何だろう? ろうかに本だなって?) 青年は,ふしぎに思いました。この“出会い”から,青年の生い立ちからの“思い”が行動を起こさせます。 1974年4月,はじめての動きは…。 羽黒第四小学校に“一通の手紙(封書)”が届きました。
毎月,本代を送ります。の手紙と千円札が2枚,封筒の裏には「鶴岡市」とだけ書かれています。 次の月も手紙とお金が届きますが,名前はありません。 その後も,匿名の手紙は続きます。違った文面で届くこともあります。
寒くなって,野外遊びもできなくなりましたが,その分,本をたくさん読んで勉強してくださいね。 来月はボーナスも出る予定なので,チョッピリ増額します。子供達は,文章から相手を想像します。そして『鶴岡のおじさん』と親しみと感謝を込めて呼ぶようになりました。 “鶴岡のおじさん”のおかげで図書室に本が増え,子供達が楽しく本を読み続けます。 長い年月に,子供は卒業し,成長し,そして親となり子が入学し,再び“赤丸シールの本”を手にします。 羽黒第四小学校の子供達の思いと行動,そして鶴岡のおじさんの手紙と行動に,心が温かくなる素敵なノンフィクション物語です。 この物語が詳しく書かれているのは,小学校に届いた501通の手紙,そして子供達の書いた感謝の手紙が,学校でファイリングされて残されていたからだと思います。 長い年月の中で,引き継がれ大切にされてきたことは,なかなか真似のできない素晴らしいことです。 「鶴岡のおじさん」と「羽黒第四小学校」が寄り添い心を通わせた貴重な記録でした。 素敵なお話に出会えた一冊です。
もくじ プロローグ 1 みどりの森の赤丸シール 2 春にやってきた手紙 3 二十四冊からはじまった 4 ありがとうを伝えよう 5 そのわけが知りたい 6 引きつがれ、読みつがれ 7 おじさん登場!? 8 秋にとびらを開いたら 9 いつまでもわすれない あとがき【関連】 ◇深山さくらオフィシャルサイト ◇「鶴岡のおじさん、本を40年間ありがとう」 羽黒四小に匿名で図書費寄付し続けた金野さん、初訪問(産経ニュース) ◇「来春統合羽黒四小で思い出胸に閉校式」(2015/11/10(火) 荘内日報ニュース)