『勇者たちへの伝言』(増山実・著)
雨が上がり晴れましたが,“節水”が続いている状況では,「もっと降って!」という声が聞こえそうです。
「晴れ」と「雨」が適度に繰り返されるとよいのですが…。
明日の天候は…。
この本は,2019年04月10日に紹介した『「いい話の小さな図書館」の館主を募集しています 』で,5月に届いたものです。
今回の小林書店さんの“カバー”は,ちょっと切なく読みました。
今回の『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』(角川事務所・刊)は,読みながら“どのように読むか”を迷いました。
主人公(?)の正秋が出会う人,出会う場所,そして向かう場所(夢)が,新しい“明日”を見せてくれるような作品です。
“父の秘密”に出会った正秋が,出会うこと,見つけること…。
あなたも,館主になりませんか。
○ 安子はあの競輪場で,十年間,何を見て来たんやろか。 どこへでも,行きたいとこに行けるねん…。 安子のその言葉が,今も耳から離れへん。 ○ 父ちゃんはさっきのことを安子に訊いた。 「安子,証ってなんや?」 「うち,北朝鮮に帰ったら,もうあんたのことは思い出さへん。きれいさっぱり(略)」 「北朝鮮で野球、観れるか?野球チームないんと違うか?」 ○「いつの日か来た道をたどって,私はあなたに会いにきました」何を書いても「ネタバレ」になりそうな展開だと思います。 読み進めながら「ここまでにしようか…」と思うこともありましたが,“日本と朝鮮の関係”を考えるきっかけを与えてくれる一冊だと思います。 題名にもある「勇者」とは誰か? どのような「伝言」があったのか? それを見つけるのはあなたです。
目次 ふたつの夏 父の秘密 手紙 窓に映る顔 あの空の向こうに【参考】 「いい話の図書館」は,兵庫県の小林書店(店主 小林由美子さん)のオススメ本の頒布会で,お薦め本が毎月1冊届きます。