『「ものの見方・考え方」とは何か』(北俊夫・著)
天気がよく,気持ちの良い一日でした。
新学習指導要領が各教科の授業において「見方・考え方」を重視しており,それを「ものの見方・考え方」として,その指導と学びの“術”を述べる『「ものの見方・考え方」とは何か: 授業力向上の処方箋』(文溪堂・刊)です。
北氏の著書には,若い頃から“節目”に出会っている気がします。
本書も,書架に並ぶなかから「ここに…」と声がして(?),手に取りました。
本書では,
教師が「見方・考え方」を働かせるとは,子どもの発言を価値づけることであり,方向づけることです。また,一般化したり具体化したりすることでもあります。教師の発する「見方・考え方」には,子どもの学びを深めていく重要な役割があります。として,授業中の言葉かけが適時にできる教師への“授業力を鍛える道具”を提示(提案)しています。 『「ものの見方・考え方」の術35』について,「自分は身についているか…」「意識しているか…」「なぜ“術”なのか…」などと考えながら読みたい一冊です。 ******* 【対象への目のつけ方──18のポイント】 ○「狙い」を確認する ○地理的な目で捉える ○歴史的な目で捉える ○「不易と流行」の二つの視点で ○「木を見て森を見ず」にならないよう ○固有性は何か──「ならでは」「こそ」の発見 ○共通性は何か──「にも」「でも」の発見 ○変化するものとして──流動性を意識して ○限定する──限界性を意識して ○メリットとデメリットを ○「5W1H」のはてな(?)をもって ○構成要素に注目する ○結果を予想する──仮説を立てる ○概観(俯瞰)する──トンビの目で ○微視的に──アリの目で ○多面的・多角的に──トンボの目で ○これまでを見て,これからを考える ○先を見て,いまを考える 【処理・操作の仕方──17のポイント】 ○観点を設けて比較する ○事象を関連付ける ○時間の経緯で記録する ○原因,根拠,理由と結びつける ○観点をもって──分析的に ○条件を踏まえたり揃えたりする ○消去法で選択する ○分類(仲間分け)を生かす ○KJ法で情報を整理する ○公平・公正に ○多方面からアプローチする ○総合的に(総括して) ○ベストが無いときはベターを ○具体を一般化,概念化する(帰納的手法) ○概念を具体化する(演繹的手法) ○応用・転移する ○「もし〜だったら」と仮定する ******* 先生,明日からの授業,子供の捉え方が変わりますよ。
目次 まえがき 1 「ものの見方・考え方」をどう捉えるか 2 「ものの見方・考え方」の術35 コラム 資料 各教科等に見る「見方・考え方」の解説 あとがき