『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・著)
朝,まだ雨が降っているのではないかと思いましたが,雨は大丈夫でした。
ただ,窓の外は“真っ白”でした。霧が景色を隠していました。
時間とともに霧ははれ,日差しのある天候になりました。春の陽気を感じられる一日でした。
昨年,「漫画」と「新装版」が発表されて,大きな話題となりヒットした作品(本)で,「何をいまさら…」と言われそうです。
「漫画」が発売されたこと,それが話題となっていることは,その頃知りませんでした。
最初は,書店での立ち読みでした。
「なるほど…。コペル君を,こう描いたんだ…。」で,書架に戻しました。
しばらくして,気になってKindle版を読みました。
表紙を開くと,
「1937年」「東京の街」「人々の生活が大きく変わろうとしているこの時代に」…「ひとり中学生とその叔父さんがいました」と,漫画で描かれていきます。 ノートは文字で綴られます。「なるほど。」 漫画版の作家 羽賀翔一氏は,小説を初めて手にしたとき,
「なぜ君ではなく、君たちなのだろうか?」と思ったと,氏のnoteに書いています。 原作者の吉野氏が「君たち」とした思いをとらえ,それが表現された漫画です。 最近,図書室で新装版の『君たちはどう生きるか』を見つけ,読みました。 こちらは,表紙を開くと「『君たちはどう生きるか』を読む前に “私たちはどう生きるか”」と池上彰氏の紹介文から始まります。 挿絵は少ないですが,絵は羽賀氏の漫画からです。 表紙のコペル君,後姿のコペル君,叔父さん…,文字からの印象が…。 読む人の年齢や状況により,読む“視点”が異なって,内容への共感や理解が変わってくるのが,この作品の魅力の一つだと思います。 あなたは,どこに共感し,何を思いましたか。 漫画版の出版社紹介文より
人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君とおじさんの物語。 出版後80年経った今も輝き続ける歴史的名著が、初のマンガ化! 1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた、吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。 人間としてどう生きればいいのか、楽しく読んでいるうちに自然と考えるように書かれた本書は、子供はもちろん 多くの大人たちにも共感をもって迎えられてきました。 勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、 昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う主人公のコペル君と叔父さん。二人の姿勢には、生き方の指針となる言葉が数多く示されています。 そんな時代を超えた名著が、原作の良さをそのままに、マンガの形で、今に蘇りました。 初めて読む人はもちろん、何度か読んだことのある人も、一度手にとって、人生を見つめ直すきっかけに してほしい一冊です。【関連】 ◇君たちはどう生きるか(マガジンワールド) ◇【公式】漫画 君たちはどう生きるか @kimitachimanga(Twitter) ◇ 羽賀翔一 @hagashoichi(Twitter) 【図書】 ◇『君たちはどう生きるか』(マガジンハウス・刊 新装版) ◇『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス・刊) ◇『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)(岩波書店・刊) ◇『君たちはどう生きるか』(ポプラポケット文庫 日本の名作)(ポプラ社・刊) ◇別冊NHK100分de名著 読書の学校 池上彰 特別授業 『君たちはどう生きるか』(教養・文化シリーズ)(NHK出版・刊)