「三学期は,新しい年だった」(1989年)
空は晴れましたが,気温が上がらず寒〜い日でした。
天気予報では,寒気が日本列島を覆い,これから“さらに寒く”なっていくようです。
寒の暦を待っていたかのように,気候が動いていきます。
冬に寒いのはしかたありませんが,厳しい寒さは遠慮したいものです。
明日は,冷えるかな?大丈夫かな?
1989年の三学期は,「これまでと違う始まり」でした。
それは,1989年1月7日14時36分,「新しい元号は『へいせい』であります」と,当時の小渕恵三官房長官が発表しました。冬休みは「昭和」でしたが,三学期は「平成」に変わっていました。
天皇の生前退位が決まり,いろいろと話題になっていますが,「新しい元号」や「祝日」などの関心も高そうです。
「平成」となった三学期初日(1989年1月9日)の学級通信(中学2年)に,こんな記事を書きました。
三学期は,新しい年だった 「平成元年」 昭和64年最初の土曜日は,歴史の大きな節目となる一日でした。 「昭和」が終わり,「平成」の始まりを告げる日になりました。昭和は戦争に始まりました。社会科の教科書に出てくるチャーチル,ルーズベルト,ヒットラー,ムッソリーニといった名前を知っていると思います。それらの人と同じ歴史上の立場であった人が,天皇HIROHITOです。 何となく不思な感じがします。“戦争を知らない子どもたち”にとってはなおさらです。戦争以後,昭和の3分の2を生きた天皇裕仁の印象しかないせいでしようか。 新しい「平成」の年になったとはいえ,1988年から1989年に変わってきた時間の流れは,そのままです。その流れの中に,あなたは,何を見つけ,つくるのか?この学級通信を読んだ生徒も40歳を超え,社会の中核となって活躍しています。 再び“新しい元号”を迎えますが,“あの時の思い”を覚えているでしょうか。 裏面では,「土曜日のテレビは,社会科の勉強?」と「新元号は国語の勉強?」の2つの記事を載せています。 その中から。
土曜日のテレビは, NHKの総合も教育も民放も,同じ放送ばかりでした。民放は,CMを一切流しません。テレビの様子も,まさに歴史の変わる日でした。 その放送の中に出てくる,憲法,皇室典範,祝日法…といった法律,天皇の国事行為,三権の長,元号,恩赦…といった言葉など,3年生で習う“公民”の内容そのものでした。 また,昭和を振り返る回顧番組では,“昭和の歴史”が。 土曜日のテレビは,社会科の勉強に役立ちそうでした。でも,「見たい番組が二日間もないのは,嫌だ。」そんな声も聞こえそうですね。 新元号「平成」は,前漢の歴史家・司馬遷の著『史記』と,中国で古典中の古典といわれる『書経』の双方を出典としており,いずれも中国の伝説上の皇帝,舜のことばや舜と禹の偉業をたたえた一節から引用された。 このうち『史紀』は,(略)… これは,「(八元を用いて五教を四方へ伝え広めさせたところ),父は正義を守り,母は慈愛豊かになり(略)… また『書経』は,舜と禹の言葉を紹介した『大禹謨(だいうぼ)』の一節,「地平天成、六府三事允治、万世水頼、時乃功」から引いた。 これは舜が禹の行いをたたえたもので(略)…新しい元号は,どのような“願い”をもって候補が上がり,選ばれるでしょうか。 中国や日本の古典を読んで,あなたも“元号”を考えてみてはいかがですか。 まず,何を読みますか。