「中学3年生へ」(1990年)
雲の多い日でしたが,夏を感じる一日でした。
今日,出かける途中で,若い女性に話しかけられました。
年寄りがナンパされるはずもなく…。
「舟着小学校の時に…。」
校長として赴任した時の“子供”でした。美しい女性となり,仕事に励んでおり,輝いていました。
声をかけられなければ,気づけませんでした。
ありがとうございました。
今を楽しんでください。
1990年,中学3年の担任でした。学級通信『無用』を発行し,いろいろな“会話”をしました。
その学級通信 第1号(1990年)の記事から。
三つのことを,私は,みんなに期待をしたい。 一つは,(略) 三つ目は,まわりの変化に気づく人になって欲しいということです。 三つ目の話の例えとして,私は,よく「カエルの話」をします。 ******* 今日の話を聞いて,「お湯の中のカエル」の話を思い出した。こんなことを書きたくないけど,友達にカエルがいる。その子がカエルだったのがショックだった。僕が気づいたのが,ちょうどお湯に入った時だったから,何度かすくい上げようとした。でも,すくい上げられなくて,お湯の中で気持ちよさそうに泳いでいた。 今は知らないけど,すくい上げてやることができなかった自分がなさけなく思えた。高校に進めば,カエルをよく見るようになると思うけど,そのカエルに,お湯の中に引き込まれないようにしたい。すくい上げられたら最高なんだろうけど。 ******* この春卒業していったある人が,こんな文章に託して,友達のこと,そして,自分のころを書きました。この人は,卒業を間近にして,やっと友達に向かって,こう言えるようになりました。 三年の始まる今日,その文章をみんなに紹介するのは,今のみんなが,ここに書かれた友達と自分の関係を意識して,新しい友達2名を迎え,新しい○組を始められると思うからです。違いますか?ここに書いている「カエルの話」は,最近では「ゆでガエル理論」などと呼ばれ,よく知られる話になりました。 “気づく”ことは,生活でも学習でも,中学生活において“武器”になるものだと思いますし,当時の子供達が身をもって教えてくれました。 “五感”を使い,磨き,鍛える… みなさんの日々は,“気づき”がありますか。