『おべんとうの人』(阿部 了・著)
天気のよい“暑い日”になりました。
まだ“発汗する体”になっていない感じです。今日のような天気が続いて,暑さを心地よく感じられる体になるのでしょうが,加齢とともに…。
暑い夏がやってきた。
著者名「阿部 了」を見たとき,どこかで見た,聞いたような気がしました。
「誰だったかな?」と思いながらタイトルを見て,テレビ番組が思い浮かびました。NHKテレビの「サラメシ」です。
この番組の写真家として登場する方です。
本を開くと,まさしく“その人”でした。本は,『おべんとうの人』((木楽舎・刊)です。
「サラメシ」は,働く人のランチを取り上げた番組で,街頭インタビューや一緒にランチしたり,職場のランチを取材したりした様子が流れます。楽しみにしている番組の一つです。
職場へカメラを手に出かけているのが阿部氏です。
あとがきに取材へ出るようすがありました。
いつものように連絡が入る。その後ロケが近づくと,担当ディレクターからは,「お弁当を撮影する場所ですが……」とか「全部で7人ぐらいの工場です」などと,最小限の情報が。「え,それから?」と,いろいろ聞きたくなるのであるが,あまり現場のことを知って欲しくない様子は,どのディレクターからも感じられるので,あえて事前に調べないで,僕も現場に臨むのである。わくわくする感じや驚きがあるのは,先入観なしに“見たまま”,“聞いたまま”が切り取られているからだったようです。 本書は,これまでの取材した「人」と「おべんとう」の話から紹介されています。 一話の構成は同じです。「たくあんの人」を例にすると,まず見開きに“働く姿”の写真があります。そこに
1300年前の 奈良時代から続く伊賀焼き。 400万年前の古琵琶湖層の 地層からとった土を使って陶器を作る,1832年か築窯の土鍋で有名な長谷園。と仕事・職場の紹介があり,名と職業,場所が記されます。 次の見開き右ページには立ち姿,左ページには弁当の写真です。 次には,右ページで取材からの記事,そこに仕事に関わる写真が2,3枚カット風に入っています。左ページは上下2枚の食事の写真(一部違う項もあり)です。 以上6ページで「べんとうの人」が描かれます。 「おべんとう」を通して,「働くこと」そして「人生」が描かれています。 中高生が読むと,これからの生き方を考えるヒントに出合うかもしれません。 あなたもご一緒に。
*「もくじ」として 肉ばっかりの人 ハートの卵焼きの人 新人 給食から弁当になった人 スープ付きの人たち 奥さんの背中を見ながら食べる夫 カップヌードルと黒パン たまたまハートの人 信州人になれないと言う人 二足のわらじの人 ハレの人 たくあんの人 たわいものない話をする,ママ友二人 うめ星 探す人 なつかしい人 新婚の人 胡麻と黒はんぺんとキスの人 すし屋に通った人 ミシンの脇で食べる人 AD今井くん お裾分けする人たち ビータンの人 16歳の妹に作ってもらう21歳の兄 あげたくなっちゃう人 神主の人 十代の人 自前の人 あとがき【関連】 ◇サラメシ(NHK)