集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『鉄客商売』(唐池恒二・著)

亭0318。 年度末の3連休の初日,いかがお過ごしですか。  昨日までのような青空はなく,曇り空の一日でした。気温もあまり上がっていませんが,寒くはなく“春”を感じる日でした。  昨日,一本の連絡が入りました。  “差出人”が「?」のLINEです。  「開いてよいのか…」「友達に加えてよいのか…」…  そもそも,「どうして連絡が届くのか…」  しばらくして,この疑問は氷解しました。  連絡を開き,内容を確認…。  そして,新たな疑問が,「こちらは初めて聞くことだが…」  年度末で,みなさん慌ただしいようです。  ご苦労さまです。  JR九州は“元気な企業”の一つで,それには唐池氏の存在があると聞いています。その唐池氏が著した『鉄客商売』(PHP研究所・刊)を読みました。  本書は,唐池氏が,若い頃から現在までの歩みを振り返って述べています。  勤め人にとって異動は“普通にある”ことですが,その場が“普通でない”ことの多かった唐池氏でした。  20代に出会った上司(部長)から,疲労困憊の話し合いを終えた後に
「今日は,よかったですな。唐池さんの説明のおかげで,うまくいきましたわ」
と言われ,その“姿”に多くを学ばれたようです。  鉄道の仕事に就いたはずが,船舶事業,外食部門と新しい事業や部署で活躍していきます。  その時々のようすが目に浮かぶような“語り口”で綴られています。そして,各章の終わりに「私がこのころ学んだこと」が載せられており,それまでのストーリーの意味を再確認できまます。  本書の最後に,『「鉄客商売』 二二の学び』としてまとめてあります。各章で読んだときとは,別の意味を感じました。
  「鉄客商売』 二二の学び     ※番号が振ってありますが,ここでは省きます。 ○ 何事も前向きに考える。 ○ 意気に感じて取り組む仕事は,けっこううまくいく。 ○ 難局に直面したとき,逃げずに真正面からぶつかっていくと道は必ず開ける。 ○ 進むべき方向とスケジュールを明確にすると,人は迷わずに行動する。 ○ 二メートル以内で語り合うと,互いに心が通じるようになる。 ○ 「気」に満ち溢れた店は,繁盛する。 ○ 夢は,組織や人を元気にする。 ○ 経営方針は,トップが自らの言葉で語る。 ○ 月次決算書は,現場の責任者が手づくりで作成することに意味がある。 ○ ネーミングは,徹底的に勉強し,とことん考え抜いてはじめてできるもの。 ○ 現場に行くと,いろいろなことを教わる。 ○ サービスとコストの両方の最適化が,経営のめざすべきものだ。 ○ サービス教育の先生役は,鬼に徹するべし。 ○ 店長が最優先すべきことは,司令塔としての職務を全うすることだ。 ○ 何ごとも,すべてを貫く哲学=コンセプトが大切だ。 ○ 手間をかけ誠実に徹した仕事や商品は,お客さまを感動させる。 ○ 学んだことは,すぐに実践に生かす。 ○ 人を元気にすると,自分も元気になる。 ○ デザインと物語は,いい仕事には欠かせない。 ○ 行動訓練は,「気」を集めるための最良の道だ。 ○ 日々の誠実で熱心な練習は,本番で大きな成果をあげる。 ○ 「気」のエネルギーは,感動というエネルギーに変化する。       唐池恒二
 読書メモから二つ
○ ななつ星の成功のポイントは何なのか。いくつかの要因の中で,特に奏功した主なものの一つは情報のコントロールだったと思う。  情報のコントロールというと,お客さまやマスコミに背を向けるようなものととられそうだが,そうではない。ある哲学にもとづいてコントロールを行ったのだ。 ○ 「天才でなく,ネーミングの神様です」/「神様?」/「そう,天才はいつでもぱっとひらめく人のこと。でも,神様はなかなか降りてこない。降りてくるまで時間がかかる」
 どの職種にあっても,本書に学ぶことが多くあるように思います。  お薦めの一冊です。
  目次 まえがき 大嶋部長のこと―JR九州は逃げない ビートルから教わったこと―JR九州は海もゆく 二メートル以内の男たち―JR九州はとことん話し合う 外食王への道1―JR九州は小さな「一家」の集まり 外食王への道2―JR九州は教わってすぐに実践 ネーミングの神様―JR九州はまちの思いも乗せる 外食王への道3―JR九州は焦らず騒がず 外食王への道4―JR九州は「気づき」のプロ集団 コンセプトこそすべて―JR九州は言葉の感性を大切にする 外食王への道5―JR九州はカレーも焼き鳥も究める 外食王への道6―JR九州は常識を覆す まちづくりと鉄道―JR九州はまちと「元気」を交換する 櫻燕隊のこと―JR九州は踊る! ななつ星の不思議―JR九州は世界最高峰を常に目指す あとがき 追記(※熊本地震について述べ,「鉄道員魂」や感謝を述べています)
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