『限界の正体』(為末大・著)
「天気のよい日で…。」と思っていましたが,朝の空には雲が広がっており日差しがありませんでした。
次第に日差しが出て,晴れてきました。それに合わせるように,強い風が吹いてきたように感じます。“冬の風”が増えてくるようです。
当地は,まだ道路凍結で困ることはないですが,それも間もなくのことでしょう。午後,スタッドレスタイヤに交換しました。準備を整えました。
為末大氏は,400mハードル日本記録保持者です。オリンピック,世界大会などで活躍されました。
現役を引退後,指導者やスポーツコメンテーターとして活動され,いろいろな著作を出しており,新刊の『限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法』(SB Creative・刊)です。
「限界」について,自身の経験をもとにし,そこからの検証と研究により語っています。
スポーツ選手は,引退するとテレビに出る人がいます。 僕もその一人で,メディアに出るときは,「元・プロ陸上選手」という肩書がつくことがあります。 (略) 周囲の期待や社会の常識。 それらが集まると自分へのレッテルが形成されます。 僕たちは,(略)さまざまなレッテルが貼られています。一度レッテルが貼られると,行動や考え方が固定化されやすく,その結果,限界の檻に入ってしまうことがあります。人は,さまざまな場面,状況で「限界の檻」に入ってしまいます。それが,成長すること,限界へ挑戦していくことを妨げているようです。 「現状が…」と気になっていることのある方は,「限界の檻」から出ていくヒントを,為末氏に学んではいかがでしょう。 読書メモ。
○「鎖につながれたゾウ」という寓話。 ○限界をつくり出す要因 ・憧れ ・成功体験 ・モチベーション ・周囲のアドバイス ・事前情報 ・わかったつもり ・地位や名誉 ・嫉妬心 ○何かを極めるほど,人は対象について「わかったつもり」になりやすいものです。 ○室伏さんのように,日常の中に,予想できない変数を組み込むことが必要だと思います。 「今までやったことのないこと」 「ルーティンから外れたこと」 これらを組み込み,選択肢や視点を変えてみると,自分でも予想できない大きな結果が手に入ることがあります。 ○限界を感じるとき,人は「なぜ,うまくいかないか」と「why(なぜ)」で考えて,できない理由を見つけようとします。 ですが,「why(なぜ)」は,物事を理性的に考えるプロセスです。理性でつくられたモチベーションは,それほど長続きしません。 (略) 僕は,ワクワク感が人を動かすと考えています。(略) 自分の感情をワクワクさせるにはどうすればよいか。視点を変えて,「why(なぜ)」ではなく「how(どのようにして)」で考えてみることです。 ○あえて失敗して,プライドを捨てる。 ○ジェームズ・ランゲ説は,生理学的反応のほうが,感情よりも先に起こることを説明しています。 「悲しいから泣くのではない,泣くから悲しいのだ」 (略) だとしれば,行動や表情を変えることで,感情をコントロールすることもできるのではないでしょうか。
目次 序章 誰かができれば自分にもできる心理 第1章 人は知らぬ間に空気に あやつられる 第2章 自分の「小さな檻」を突破する 第3章 努力を捨てる。思い込みから自由になる 第4章 無意識をつかって、自分の才能と出会う おわりに【関連】 ◇為末大・侍オフィシャルサイト ◇為末 大 (@daijapan)(Twitter) 【今日の小咄】 前を走る車の後ろに,「法定速度遵守車 どうぞお先に」と書いてあった。この車は,法律違反をそそのかすという罪を犯している気がする。