『ヒーロー』(白岩玄・著)
旅の途中です。
旅の話は,また。
申し訳ないのですが,著者名から思い出すものがなかったのですが,帯に「今,正義とは何かを問う,『野ブタ。プロデュース』を超える痛快学園小説」とあり,テレビドラマを思い出しました。
学園小説を楽しむ年齢ではありませんが,“学校のいじめをなくす”という主人公(?)の行動に興味をもって『ヒーロー!』(河出書房新社・刊)を読みました。
「いじめ」を扱いますが,いじめる側の思いや姿,いじめられる側の気持ちや行動が描かれることはなく,問題を解決するために“無茶をする高校生”たちが描かれます。
物語は,自称「ひねくれ文化系女子」の「私」が語り手となって進みます。
「いじめをなくす」と立ち上がったのは“ヒーローばか”の新島英雄。彼が,そのために手伝いを頼んだのが演劇部で演出を務める佐古鈴。
二人が行動を始めて,そこに参戦してくるのが演劇部で脚本を担当する鈴の唯一の親友 小峰玲花。
「あそこまで観客の気持ちがわかるなら絶対できるよ。なぁ,一緒に学校の平和を守ろうぜ。おまえが考えて,俺が動く。それだけでいじめをなくせるんだぞ?」 私はやれやれとため息をついた。君は学校というものがわかっていない。我が校は生徒の自主性を大事にしています。などと優しげな微笑みを浮かべて言いながら,結局はガチガチに管理するのが大人の考える教育なのだ。こっちが正直に話したところで…。 「思った以上の嫌われようだな。しかもこれ,不特定多数が何人も書き込んでる感じじゃん。星乃あかりってそんなに嫌われてんの?」 「正しさは人から優しさを思いやりを奪うんだ」 「君たちの提案を受けたのは,君たちの提示した方法が『生徒の居場所を作るもの』だったからだ。君たちの…」 「居場所というのは、その人の幸せそのものなんだよ」さて,彼らの行動の結末は…。 さあ,「いじめ」をなくすために,あなたも“ヒーローばか”と一緒に立ち上がりませんか。
目次 ヒーロー! どうぶつ物語 〜その後の演劇ショー!〜【関連】 ◇白岩玄 (@gegenno_gen)(Twitter) 【今日の小咄】 電話を取り次いでも,兄はいつもすぐに出ず,数秒待ってから受話器を取る。 「どうしてすぐに出ないの?」と聞くと,「広い家に住んでいると思わせたいから。」と。 ※ 今は携帯電話にかかってくるから,使えないかな…。