集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『きみが世界を変えるなら』(石井光太・著)

紅葉1121。  朝から厚い雲に覆われた空で,日差しがなく,気温の上がらない日でした。  屋内にいると寒さが身にしみる感じでした。  インフルエンザの話題も聞かれるようになりました。天候の変化に合わせた体調管理を心がけたいと思います。  みなさん,元気ですか。  子供達を取り巻く社会は,かつては「子供用」「子供向け」として“用意されていた”ものが消え,「一般向け(年齢を問わないもの)」になっているように感じます。  「子供の社会性が…」「子供の○○権が…」と説明されますが,大人が“子供(人間)の発達”について考えることを止めてしまっているだけの気がします。  そうしたなかで,“子供に向けて”書かれた『言葉を武器に変えて(きみが世界を変えるなら)』(ポプラ社・刊)を読みました。  この本は,児童書シリーズ「きみが世界を変えるなら」三巻の一冊で,他に『世界を改革した子どもたち』『「わたしの物語」を生きる』がありました。
 言葉には人生を変えるだけの大きな力があるというのがテーマです。  子どもはさまざまな困難に直面しますが、その時に力となるのは言葉です。人生の先輩たちは、言葉でもってどうやって困難を乗り越え、人生を素晴らしいものにしていったのか。  言葉を武器にして生きることで、困難を乗り切る方法を考えていきます。 (先輩=イチロー選手、本田圭介選手、トム・クルーズさん、はるな愛さん、小栗旬さんなど)  ※先輩には、この本に登場してもらうことに同意してもらっています。  対象年齢は、小学校高学年〜高校生。
 著者が,「学校での人間関係」「家庭の問題」「病気」「障害」「いじめ」「差別」などで悩んでいる子供に,“先輩”の姿を例にして,言葉を発して「○○してみよう」と述べています。
 自分の将来をこわしてまで,お母さんに少しばかりのお金をわたすことが,親孝行なのだろうか。  僕はそうは思わない。  もし森見くんがお母さんのことを思うなら,まず自分がちゃんと学校を卒業して,いい仕事について,安定した生活をおくるべきだ。そのうえで(略)
 この本を「全部読もう」とする子供がいるのか,少し疑問もあります。  これを読んだ大人が,悩む子供に「ここを読んでごらん」と示すのが似合うような気がします。  お父さん,お母さん,児童書を読んでみませんか。
  目次 はじめに 第1章 言葉をうばわれた子ども 第2章 自分をわかってもらう 第3章 ふつうなんてないんだよ 第4章 生きる社会はたくさんある 第5章 社会の一員として 第6章 言葉が社会を変える おわりに