『きみが世界を変えるなら』(石井光太・著)
朝から厚い雲に覆われた空で,日差しがなく,気温の上がらない日でした。
屋内にいると寒さが身にしみる感じでした。
インフルエンザの話題も聞かれるようになりました。天候の変化に合わせた体調管理を心がけたいと思います。
みなさん,元気ですか。
子供達を取り巻く社会は,かつては「子供用」「子供向け」として“用意されていた”ものが消え,「一般向け(年齢を問わないもの)」になっているように感じます。
「子供の社会性が…」「子供の○○権が…」と説明されますが,大人が“子供(人間)の発達”について考えることを止めてしまっているだけの気がします。
そうしたなかで,“子供に向けて”書かれた『言葉を武器に変えて(きみが世界を変えるなら)』(ポプラ社・刊)を読みました。
この本は,児童書シリーズ「きみが世界を変えるなら」三巻の一冊で,他に『世界を改革した子どもたち』『「わたしの物語」を生きる』がありました。
言葉には人生を変えるだけの大きな力があるというのがテーマです。 子どもはさまざまな困難に直面しますが、その時に力となるのは言葉です。人生の先輩たちは、言葉でもってどうやって困難を乗り越え、人生を素晴らしいものにしていったのか。 言葉を武器にして生きることで、困難を乗り切る方法を考えていきます。 (先輩=イチロー選手、本田圭介選手、トム・クルーズさん、はるな愛さん、小栗旬さんなど) ※先輩には、この本に登場してもらうことに同意してもらっています。 対象年齢は、小学校高学年〜高校生。著者が,「学校での人間関係」「家庭の問題」「病気」「障害」「いじめ」「差別」などで悩んでいる子供に,“先輩”の姿を例にして,言葉を発して「○○してみよう」と述べています。
自分の将来をこわしてまで,お母さんに少しばかりのお金をわたすことが,親孝行なのだろうか。 僕はそうは思わない。 もし森見くんがお母さんのことを思うなら,まず自分がちゃんと学校を卒業して,いい仕事について,安定した生活をおくるべきだ。そのうえで(略)この本を「全部読もう」とする子供がいるのか,少し疑問もあります。 これを読んだ大人が,悩む子供に「ここを読んでごらん」と示すのが似合うような気がします。 お父さん,お母さん,児童書を読んでみませんか。
目次 はじめに 第1章 言葉をうばわれた子ども 第2章 自分をわかってもらう 第3章 ふつうなんてないんだよ 第4章 生きる社会はたくさんある 第5章 社会の一員として 第6章 言葉が社会を変える おわりに