2-15 健全な発育のために (新しく先生となるみなさんへ)
今日も“夏のような蒸し暑さ”の一日でした。
日が落ちると、秋の虫の音とともに、秋の涼しさになりますが、日中の屋外作業は汗だくでした。
平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
15 健全な発育のために
(1) 運動好きな子供にするための指導
ア よさを認める教員の一言
どんなにさ細なことでも,その子なりのよさを見付け,褒める。教員の元気付けの一言は,子供の学習意欲を喚起する大きな原動力である。
イ 安全な学習環境づくり
わずかな失敗が,子供に恐怖感をもたせたり,自信を喪失させたりすることがある。そのため,子供の実態を十分に把握し,安全で適切な施設や器具・用具についての配慮を忘れないようにする。
ウ 運動嫌いの原因の追究
運動をいやがる原因をつきとめ,それに応じた教材や指導,支援の方法についての工夫をする。
エ 助け合える学習集団の形成
たとえ失敗しても,互いに激励し合い教え合うような学習集団をつくり,教員も一緒になって行動する。
(2) 心身に問題のある子供の指導
ア 病弱肢体不自由児の指導
子供の症状に応じた特別な指導計画を立て,適切な指導をする。重症者を除き,適度な運動をさせることは,単に休養するより治療に役立つこともある。
運動をさせる外にゲームの審判,教員の手助け,記録などで授業に参加させることも,一つの方法である。
イ 肥満傾向の子供の指導
肥満傾向の子供は,運動をいやがる場合がみられる。運動への意欲をかき立て,積極的に運動させ,成就感を味わわせる配慮が必要である。
なお,校医や関係機関及び家庭との協力も忘れてはならない。
ウ その他の留意事項
外見上分かりにくい難聴・弱視・内部疾患等の子供に留意する。特に心臓疾患等には,養護教諭と十分連絡をとり万全の配慮をする。
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注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
【関連】
◇学校保健の推進(文部科学省)
◇学校保健ポータルサイト(公益財団法人日本学校保健会)