集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『かぐや姫、物語を書きかえろ!』(雀野日名子・著)

水0115。 朝のうちは曇っていましたが,午後は日差しのある天候になりました。当地の気温は低いままですが,少し緩んで暖かさを感じることのできる一日でした。  先日,農業用水栓から水が噴き出していました。夜間に凍結し割れたようです。  寒い日で,農作業に出てこられていないでしょうから,この噴き出しに気づくのには時間がかかったでしょう。  まだ寒い日が続きます。水道凍結の対策は大丈夫ですか。  題名そして表紙を見て,雅な時代の話が描かれているのだろうと思って手にした『かぐや姫、物語を書きかえろ!』(河出書房新社・刊)ですが,ちょっと違っていました。
 『竹取物語』の世界に生きる内気な姫さよと勝気な姫ごう。自由を求め物語の神に反旗を翻した二人は、『源氏物語』『蟹工船』など物語の結末を書きかえてゆく!痛快名作エンタテインメント。
 “かぐや姫”の登場する『竹取物語』から始まります。この“かぐや姫”が,誰かから「書きかえろ!」と言われて(命令されて?)いるようです。  でも,ちょっと違うような…。
 縄文時代,偶像化される女たちを見て,彼は嘆いた。  弥生時代,王座に据えられる女たちを見て,彼は頭を抱えた。  彼は,物語の神である。  彼の役割は,人間を「正しい物語」のなかで生きさせることである。  「正しい物語」では,男が中心に存在しなくてはならない。
 「あれっ,正しい物語って?」「知っているのは,正しい物語のこと?」…  『竹取物語』に登場する“内気な姫さよ”と“勝気な姫ごう”が,“物語の神”に反旗を翻し,続く名作に転生して“主人公”となります。  その二人が描く新しい物語は…。
 物語の神は,怒りで我を失いそうになっていた。 (略) 歪めた物語を「正しい物語」と偽って流布する女人は,なおさら許しておけぬ。  彼は下界に降りることにした。
 「女性が生きづらい物語」が,「女性たちの物語」へと書き換えられていきます。  その“新しい物語”を楽しく読むことができます。  さらに,それぞれの“元の話”を知っていると,何が新しく,何が変わっているのか,知っていることで楽しさが増します。  新しい物語に,あなたの姿は…。  次に書き換えられる物語は…。あなたが書き換えるとしたら…。
   目次 第一話 『竹取物語』――はじまりの物語 第二話 『源氏物語』――女源氏とかぐや姫 第三話 『平家物語』――合戦場のかぐや姫 第四話 『仮名手本忠臣蔵』――四十七女とかぐや姫 第五話 『舞姫』――舞わない王子とかぐや姫 第六話 『蟹工船』――もう一度、はじまりの物語 かぐや姫、物語を作りだせ!
作品 by 青空文庫】   ◇『竹取物語』和田萬吉)   ◇『源氏物語』桐壺紫式部/與謝野晶子訳)   ◇『平家物語』ぬきほ(言文一致訳)宮本百合子訳)   ◇『現代語訳 平家物語』第一巻尾崎士郎訳)   ◇『舞姫』森鴎外)   ◇『蟹工船』小林多喜二)  ※ 青空文庫で『仮名手本忠臣蔵』は確認できませんでした。 【関連】   ◇かぐや姫、物語を書きかえろ!|雀野日名子(cakes(ケイクス))