『徳治郎とボク』(花形みつる・著)
今朝は“靄も霧も”かかっておらず,きれいな青空でした。
「今日も暑くなるぞ!」と思った通りの一日でした。
花壇の「奇跡のひまわり」も開花が進んでいます。
ひまわりには,青空が似合います。夏の空です。
クワの実(桑の実)を食べたことがありますか。
クワの実を食べたことのある子供は,どのくらいいるでしょうか。
「クワの実は,アレ食うと,口のまわりが真っ青になったなぁ」 「それがお祖父(じい)ちゃんのオヤツ?」 ヘッヘッヘッ。お祖父ちゃんはくちびるの片方をあげて笑った。 「クワノミ,ボクもたべてみたい」 「食べたこと,ないのか」 お祖父ちゃんのガラス玉みたいな眸が真ん丸にふくらんだ。「あんなもの,どこにでもなってるだろうが」ボクの4歳から小6まで,祖父 徳治郎とボクの“濃密な時間”が描かれる『徳治郎とボク』(理論社・刊)です。 お祖父ちゃんの「ちっせいときの話」は,ボクをわくわくさせ,知らない世界へ連れていきます。
「そのかわり,年がら年中傷だらけよ」 ニヤリと口の端を上げた,やっぱり自慢げに。 (略) …またなにをやってきたんだ』と怒鳴られたもんよ」 気もちよさそうにしゃべっていたお祖父ちゃんがハッとして口を閉じた。調子に乗り過ぎだ,と気がついたのだ。悪童,餓鬼大将だったお祖父ちゃんの“姿”に驚きます。 出版社の紹介は,
四歳から小学校六年生まで、祖父とボクの物語。お祖父ちゃんはだいたいのものが、それがどんなに便利でも新しくても高価でも、気に入らない。朝起きて畑に行き、夜寝るまで一度決めたルーティーンは、正月だろうがなんだろうが変えない頑固者だ。 そんなお祖父ちゃんのガキ大将だったころの話を聞くうちに、ボクは子どものお祖父ちゃんが大好きになっていく。とありました。 ボクが大きくなっていくにつれ,お祖父ちゃんとの関わり方が変わってきます。 そして,そこで気づいたこと,知ったこと,体験したことは…。 本書は,子供向けの作品です。 お祖父ちゃんの“ちっせいときの話”はもちろん,家族,いじめ,介護など,いろいろな問題が描かれます。 そして,弱っていくお祖父ちゃんが…。 子供に読んでほしい一冊です。親子一緒にどうぞ。
もくじ おじいちゃん 畑 夏休み ご先祖さま 峠の茶屋 石合戦 平作川 エリカちゃん ホットレモン 納豆 富士山 シロ 引っ越し ヨシオさん お月見 えらばれた人 イーグルス