昔話「天に消えた蛇」 (続 つくで百話)
昨夜,強い風が吹き大雨が降りましたが,短時間でした。
時おり強い雨が降りますが,そのまま降り続くことはなく,変わりやすい天候でした。
『続 つくで百話』(1972・昭和47年11月 発行)の「昔話」の項からです。
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昔話「天に消えた蛇」 中河内 佐宗寸花
昔から蛇に関する伝説は数多くのこっている。悪ごすい動物として,人に嫌われる反面,神としてまつられ,金運の相として尊ばれてもおり,世にも不思議な存在である。おおりゅうした蛇は,天に昇るといわれているが,昔,中河内部落で,昇天するヤマカガシをみたという話が語りつたえられている。
時は,明治以前の,ある夏の中頃のことであったという。細沢連の畑のほとりに,大きな柿の古木があった。その日,どこからともなく,年老いたとみられる大きなヤマカガシがでてきて柿の木の根元をグルグル回っていたが,するする柿の木を登りはじめた。近所にいた人々がアレヨアレヨと騒いでいる中に,蛇は十五,六メートルの高さに,そそりたっていた柿の木の,てっぺんまで登りつめた。てっぺんまで登った,このヤマカガシは,鎌首を上方にもちあげて,のびあがり,くずおれると,再び,くなりくなりと頭をもちあげることをくり返していたが,その中に,ひらひらと中天高く,舞いあがり,遥か西方に聳えたつ庚申森の方へ,泳ぐようにして消えてしまった。
この庚申森は,中河内部落の梢,上手に当たり,そそりたっている小高い,こんもりした山で森の頂上には,夫婦桧と呼ばれる,二本の大桧が,四方に無数の大技を張って空もおおうかのように繁っている。村の人達は,大昔から,この夫婦桧に,異常なまでの親近感をもち,朝夕これを眺め,崇め,親しみつづけて来たのであった。夫婦桧をもとにして雲行きの具合から天候を予測したり,夕焼空や夕月の景色から,天気,吉凶の判断もした。ここで啼く鳥の声から,村の中に不幸があるのではないかと予想するなど,村人の日常生活と,深いかかわりあいのある庚申森の夫婦桧であった。一旦空中に舞いあがったヤマカガシは,この夫婦桧で一休みして,宇宙遊行の旅をつづけたことであろう。
庚申森の麓には,古いお堂がのこっている。もとは和尚さんもおられて,寺小屋教育もされたそうであるが,現在は無住の廃屋で,一抹の寂しさを漂よわせている。その周囲には,幾多の石仏がたちならんでおり,往時の殷眼さを物語っている。
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