「この野郎,やっと見つけたぞ,ちくしょうめ,金返せ!」 「何ですぅ?旦那ぁ,えらい剣幕で?」 「盗人猛々しいとはおめぇのこった!さぁ,きりきり金を返しやがれ!」 「待ってくんねぇ,いってぇどうしたんで?」 「おめぇから買った,七福神図の紙を枕にひいて寝たら,これがどうでぇ。 正月早々,夢の中で福神のくせぇしやがって大喧嘩だ。 こんな縁起の悪いこたぁねぇ。判ったらきりきり銭を返えさんかい!」 「判った旦那,ところで旦那は寝相は良い方かい?」 「てやんでぇ,こちとら江戸っ子でぇ,勝手気侭に眠るってもんだ」 「そりゃぁ,いけねぇ。帰って紙を見てみねぇ。」 「どうだってんだよ?」 「枕の下で,紙が揉めている。」よい初夢から始まる2018年に! みなさん,よいお年を! 【おまけ】 昨年の記事。 1988年の大晦日,FM放送で朗読され,その後“大ブーム”となったお話です。大晦日に改めていかがですか。 ◇小説『一杯のかけそば』(2017/12/26)
大晦日「本年もありがとうございました」
2018年の大晦日,“平成最後の大晦日”を迎えました。
一年を感謝し,今に感謝し,家族と過ごしています。
当ブログ『集団「Emication」」への訪問ありがとうございます。
正月はブログをお休みします。次の更新は3日あるいは4日です。
本日は,年始の話題です。
今年も,氷上姉上神社でお祓いをしていただいた「宝船の絵」(初夢七福神縁起)が届きました。
宝船の絵は,初夢で良い夢が見られるよう,“枕絵”としたものです。
(以下,今までも紹介したことがある話ですが,よろしければお読みください。)
室町時代を起源としたこの習慣は,戦国時代の武将も行っていたほど縁起のいいおまじないだそうです。江戸時代には,年末になると宝船と七福神の絵を売って歩く人もいたほどの人気のおまじないでした。
初夢用の宝船と七福神の絵には,「長き世の とをのねふりの皆めさめ 波のり舟の音のよきかな」という回文の歌が書かれています。この上から読んでも下から読んでも同じ文句の歌を,三回唱えて寝るのが幸運の鍵だそうです。もしも,夢見が悪かったなら,翌朝この絵を川に流せば大丈夫だそうです。
初夢について,こんな小咄があります。