短命…。 11-2 人の一生と年中行事(2) (作手村誌57)
天気のよい一日でした。
昨日(25日)に発生した台風16号の進路が気になっていましたが、今日、熱帯低気圧に変わったそうです。
短命の台風でした。台風による直接的な影響はなく済みましたが、日本列島に暖かく湿った空気が流れ込んだり、低気圧などの影響で、週末にかけ“大雨の予報”が出ています。
「しばらく雨は遠慮したい」と思うのですが、そうもいかないようです。被害の出るような降り方でないことを願っています。
『作手村誌』(1982・昭和57年発行)から「第四編 文化 − 第三章 民俗」−「第五節 人の一生と年中行事」の紹介です。
“昭和レトロが若者に人気ですが、それとは違う内容になりそうです。しかし、昔の“文化を“今”に活かしていくヒントを探ってみたいと思います。
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第四編 文化 − 第三章 民俗
第五節 人の一生と年中行事
*産育
(つづき)
〔湯初め・七夜〕 3目目に産婆を頼んで湯に入れる。これを三日目湯という。使い終った湯は胞衣を埋めた場所に捨てる。
この日産神様を祭る。神棚又は生児の枕もとに膳を作り、魚などを添え、箸のかわりに小石を2つ乗せる。また、白米に小石を3つ入れて炊き、これを産神様に供える風もあった。
7日目をお七夜といってお祝いをする。里方の親・仲人・産婆・近親者・組の人を招待する。赤飯を炊き尾頭付きの魚等で膳立てをし、ご馳走する。産毛をそり名披露も行う。
〔産見舞〕 オビユウトミマイと言って、出産後、近所・親戚の者はコンコを重箱に入れてお見舞に行った。次第にぼた餅となり、砂糖とか菓子類にかわった。
〔産屋明け・初参り〕 別火期間は男児31日、女児28日(ともに21日、男児33日、女児23日等)で、この日をヒアキ(オヒヤアケ)と言って、産神様を送り初氏神参りをする。初参りには必ず橋を一つ越して参らねばならないという。産婦は川で斎戒し、身のけがれを払い、産室を清め、火を打ちなおして改めて神を祭る。そしてオビウトミマイを貰った家に赤飯を配る。この日から産婦でなくなり、常人となって生活する。
〔食初め・ハシゾロエ〕 110日目に食初めの儀式をする。これをハシゾロエと言う。膳立てをし1粒か2粒口に入れ、生児の歯が生えるほどに成長したことを祝い、健やかに成長していくことを願うのである。
〔初正月・初節句〕 親戚は生後初めての正月に、男児の場合は矢台を、女児の場合は毬台を祝って贈った。今ではお金を包んでこれにかえている。
長男の5月の初節句を初凧という。近所や親戚から鯉幟、五月人形が贈られる。また里方からは婚家の家紋を染め抜いた幟も贈られる。返礼には大きな柏餅を配る。
長女の3月の初節句を初雛という。雛人形が贈られる。返礼には菱餅を配る。
〔初誕生・七五三祝い〕 初誕生には誕生餅を搗き、近所・親戚へ配る。子供に餅を背負せて歩かせたり、餅を背負わせて箕に座らせ、それに餅を投げたりした。
七五三の祝は近年行われだした。昔は3歳の11月15日にはオビイワイというお祝いをした。里方から三つ身の衣服と帯が贈られ、これを着て氏神様にお参りをする。親戚からは衣服か帯が贈られた。返礼は重ねの餅を配る。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で
注2)本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値を横書きに改めて表記した箇所、年号に西暦を追記したところがあります。