集団「Emication」別館

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中秋の名月。 10-1 民間信仰・民族芸能(1) (作手村誌57)

栗0917。 今日は、旧暦8月15日、「中秋の名月十五夜)」です。初名月芋名月ともいわれ、夏の作物の収穫を終え、農耕の祈り目にあたる時期です。  中秋の名月は、「秋の真ん中に出る満月」の意味で、8月15日の夜に出る満月です。暦のことですので、必ずしも“満月”になるとは限らず、今年は明日(18日)満月になります。  とはいえ、十五夜の月が一年で最も美しいとされ、お月見をします。  そして、みなさんのところに“月見泥棒”は現れますか?  みなさん、お月見をしましたか。  『作手村』(1982・昭和57年発行)から「第四編 文化 − 第三章 民俗」−「第四節 民間信仰・民俗芸能」の紹介です。  “昭和レトロが若者に人気ですが、それとは違う内容になりそうです。しかし、昔の“文化を“”に活かしていくヒントを探ってみたいと思います。 ********     第四編 文化 − 第三章 民俗      第四節 民間信仰・民俗芸能   *行事 〔弘法様〕 旧暦3月21日は弘法様のお祭りの目である。この日弘法組の人や近在信者の人は、餅をっいたり団子やボタ餅を作ったりして重箱などに入れて持寄リ、弘法様に供えてお参りをする。(檀那寺の和尚に読経を依頼する所もある)。そしてそれらの供物をお参りに訪れた人々に適宜お接待して供養する。最近は菓子などを買って行くことが多くなった。 祇園 旧暦6月15日は祗園まつりである。新暦7月15日に行っている所もあり、「お天王様」とも呼ぶ。14日の宵祭りが行事の中心で、菅沼では氏神様で行う。青竹を切ってきて縄を渡し鬼火提灯を吊って灯を点し、祝詞をあげ、祭りが終ると皆で提灯を奪いあって取り一切が終る。15日は遊び日であるが、この日に泳ぐと、祗園坊主にシンノコを抜かれるというので川に入ることを禁じられた。 百万遍 菅沼では8月1日総出で各戸をまわり念仏を唱える。流行病や悪魔払いの行事で、これを百万遍という。それから盆月に入ったと言って墓掃除や仏檀の掃除にかかる。9月1日にも同じような行事をし、厄除けをする。いずれも百万遍の大きな数珠を持って行う。 〔神送り〕 旧暦10月は出雲で神様総会が開かれるので、他の地方では9月29日に神送りをする。この日を「ほての九日」という。新米でおはたき(おしろ粉)を作り、藁づとに入れて氏神様はじめ村中の諸神や仏様などに供える。   *讃 〔山の講〕 2月7日、11月7日は山の講で、この日は山仕事を休み山の神を祭る。材木店やヤマシなど山人夫を使う親方衆は、6日夜働いている人夫を集めゴヘイモチ(五平餅、御幣餅)を焼き、味噌をつけないのを2本山の神に供え、お下がりその他のものには味噌をつけ盛大な酒宴を張る。またこの日材木店は印の入った法被や酒を配ることもある。山仕事に関係のある家では、家庭内でゴヘイモチを作り山の神を祭ることもある。 〔庚申講〕 それぞれの集落に、大党・小党などの庚申組ができており、カノエサル(庚申)の日当番の家に夜集まって庚申様のお祭りをする。青面金剛童子の像や掛軸を祀り念仏を唱え百礼をあげる。終ると酒肴が出され小宴会となる。最近は仕出し料理を利用することが多くなった。女性は参加できないとか、不幸や出産のあった家の者は出席できないなどのきまりがある。 〔秋葉講・豊川講〕 秋葉講は1月、豊川講は11月に行っているが希望すれば変更もできる。近所などで5人ずつの組を作っておき順番に毎年1人が代参をする。代参の者は予め講金や米を集めておき前日の4時ごろまでに可睡斎や豊川閣に行き、その夜は参籠する。翌早朝の御祈祷に参拝して朝食の後、お札・供物など戴いて解散となり帰宅して講員に分記する。 (つづく) ********  注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で  注2)本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値を横書きに改めて表記した箇所、年号に西暦を追記したところがあります。 【関連】   ◇中秋の名月。時間銀行。(2016/09/15 集団「Emication」)   ◇中秋の名月。「山のこう」《村の行事 6》(2018/09/24 集団「Emication」)