答申。 2-10 植物 - 分布上意味のあるもの(2) (作手村誌57)
晴れて良い天候で、暖かい一日でした。
立春を過ぎ、雨水に向っていく時期、“陽の長さ”を感じるようになりました。
暖かさとともに、草花の芽吹きが目立ってきました。
法面にあるフキノトウは大きくなり、福寿草の花が開いていました。
季節は春です。
今日、新城市国民健康保険運営協議会の代表として、市長より諮問を受けた件について、答申を届けに行ってきました。
答申内容は…。
答申後、国民健康保険税に関わるお話をお聞きし、少し時間をいただいて“気になっていること”について意見を伺いました。
今後、何か変わってくることは…。
時間をいただき、ありがとうございました。
『作手村誌』(1982・昭和57年発行)から「第一編 第二章 植物・動物 − 第一節 植物」の紹介です。
標高500mの高原は、そこで暮らす人に“豊かな恵”を与えてくれます。それは、動物や植物の成長・生長にとって良い環境が整っているからです。
その環境も、社会活動などの変化により、“これまでの良さ”が失われているようです。
本章に記録された事柄を“今”と比べ、調べながら読み、“これから”を考え、行動することに活かしたいと思います。
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第二章 植物・動物
第一節 植物
*分布上意味のあるもの
(つづき)
〔ラショウモンカヅラ〕(シソ科)この地方では少ないもので、岩波〜木和田地内に寸出する。
〔フタバアオイ〕(ウマノスズクサ科)徳川家の紋所であるが、野生種は珍しく岩波地内に数株だけ現存する。
〔スゲ〕分布の南限と考えられる。ヌマクロボスゲ・ツルカミカワスゲ・サギスゲ・アズマスゲ・ミタケスゲなどが湿原を中心として生育している。
〔ノハナショウブ〕(アヤメ科の群落)ノハナショウブは、この仲間の原種であるとされているもので、愛知県では比較的少ないものであり、足助町の田之士里湿原(県指定保全地域)の群落は有名であるが、作手のものもそれに劣らない。
〔ダイコンソウ〕(バラ科)よく効く薬草で全村の林下・陰湿地にあり、その名のように葉がダイコンによく似ていて、夏に黄色の花をつけ、その後コンペイトウ状の種をつけるものであるが、これを煎じて茶代りに飲めば湿性の腎臓炎に卓効がある。これにキササゲ(ノウゼンカズラ科)の種子を混ぜるなどして、大勢の患者を快調にした経験がある。
〔その他実際に効果のあった薬草〕ゲンノショウコ・センブリ・ヒキオコシ(煎服−胃腸病)・ドクダミ(白い根をきざんで飲む−痔疾)・ツリガネニンジン(根を煎服−喘息)
〔オオキツネノカミソリ〕(ヒガンバナ科)鴨ヶ谷沢・入道入口にある。ヒガンバナによく似た花をつけるが、三倍体不稔性のヒガンバナと異り結実する。なお南部の巴川べりには同類のキツネノカミソリが見られる。
〔ヤブウツギとクニウツギ〕(スイカズラ科)この両者は比較的はっきりした住みわけをしており、豊川水系の地域にはヤブウツギが、矢作川水系の地域にはタニウツギが見られる。ヤブウツギの仲間で殊に毛深いものをビロウドウツギと呼んで分けている。
〔アクシバ〕(ツツジ科)比較的やせ地に生える低木で、秋に紅色の小球果をつける。獅子ケ森の西斜面に群落がある。
〔ミズニラ〕(ミズニラ科)有機物含量の少ない清水の貯水池底に出る水草で、以前は村内各所に見られたが畜産の普及とともに最近は激減した。このように水質が汚染されると消失するので、環境保全の指標植物として使われる。
〔カワモズク〕(ナガマツモ科)前記のミズニラ以上に水が汚れるとだめになる。10年程前までは中河内のお宮の前の川と、長ノ山入ロの沢に沢山見られたが今は両方とも全く消滅した。
〔イチョウラン〕(ラン科)高山性のランで花はシュンランに似る。葉を根もとに一枚だけつけるのでこの名前がある。龍頭山に見られるが数は少なく、保護を要するものである。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で
注2)本誌の本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値は、本稿では横書きに改めて表記している。
注3)これまで、“作手村の植物”について、次の記事を掲載しています。
◇作手村の自然(1) (つくで百話 最終篇)(2020/12/05 集団「Emication」)
◇作手村の自然(2) (つくで百話 最終篇)(2020/12/08 集団「Emication」)
◇作手村の自然(3) (つくで百話 最終篇)(2020/12/10 集団「Emication」)
◇1.(6) 植物と動物 - 村の植物 (わたしたちの村)(2021/05/31 集団「Emication」)
◇発見!「つくでの草花」