旅の途中です。
旅のお話は,また。
【ちょっと長い小咄】
昔,桜の木がたいそう好きな市兵衛という村長がおった。
市兵衛さんは,大和の国へ旅した時,頼んでおいた桜の苗木が届くのを心待ちにしておった。その苗木が届いたので大喜びだった。
そこで裏の畑に何十本も植えたが,時々村のいたずらっ子たちに抜かれたりして,困っておった。
ある日,町まで泊りがけで用足しに行かなければならない用事ができて,出かけることにしたが,留守のあいだが心配じゃった。
そこで市兵衛さんは,小僧に留守番をしっかりと頼んだと。
「いいか,いたずらっ子たちに桜の苗木を抜かれんようにな。また,夜の間に誰かに盗まれんようにな,よーく見張っておるんじゃぞ。」と,言いつけて出かけたと。
それから三日たって,市兵衛さんは帰ってきた。そして小僧に聞いた。
「留守番ごくろうさんやったな。桜の苗木は大丈夫やったか。」
すると小僧は,
「はい,どうも夜は用心が悪いんで,みんな抜いて納屋にしまっておきましただ。」
参考;「とんと昔の笑い話」
【おまけ】
星の大きさの違い,宇宙の広がりを感じます。
少し長いですが,ご覧になってみてください。