集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

『わたしは食べるのが下手』(天川英人・著)

ご神木1109。 図書館の新刊コーナーで気になった『わたしは食べるのが下手』(小峰書店・刊)です。
 少食で食べるのが遅い葵は、食事の時間が苦手。とくに給食は……。「小林さんさ、たぶん君、会食恐怖症だわ」。無理して油淋鶏を飲みこんで気持ちが悪くなった葵は、保健室でクラスの問題児、咲子にそう言われる。実は咲子も食にまつわる問題を抱えていた。  咲子の勢いに押されて二人で給食ボイコットを企てるも、あえなく不発。反対に新任のイケメン栄養教諭に焚きつけられて、給食改革に乗り出すことに……。
 学校給食に楽しい思い出や懐かしいメニューを持つ方が多いようです。ドラマ『おいしい給食』はシリーズを重ね、映画にもなっています。  グルメサイトで“「給食メニュー」が食べられるお店”の記事が上位に紹介されていることも目にします。  そうした給食に、困っている子がいます。表紙に描かれている、配膳された給食を持つ女の子、牛乳を手にする女子が、そうした子供です。
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わたしは食べるのが下手 [ 天川栄人 ]
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 物語は、会食恐怖症の小林葵、摂食障害過食嘔吐)の遠藤咲子が、それぞれが語りながら進みます。
 小食で、食べるのが遅い。食べてるところを見られるのが嫌。みんなと一緒だと食べられない。完食を強いられるのがしんどい……って。  あー。あーね。 「小林さんさ、たぶん君、会食恐怖症だわ」 「え? カイショク……」
 咲子は、栄養教諭の橘川先生に見抜かれます。
 モヤモヤを振り切るように、生徒指導室を出ていこうとするあたしだけど。  橘川先生のそばを通り過ぎようとしたとき、あたし以外には聞こえないぐらいの小声で、先生は言った。 「吐きダコがありますね」  さあっと、血の気が引いた。
 葵と咲子、そしてムスリムのラマワティ ハサナ アブリヤニの3人が“給食改革プロジェクト”に挑んでいきます。  そこに、栄養教諭の橘川拓真、さらに給食大好きのコッペ(久野浩平)、それぞれの家族が関わりながら“食と命”の物語が進みます。  あなたは、給食が好きですか(好きでしたか)。給食の時間が待ち遠しいですか。  みんなは、楽しく、美味しそうに給食を食べていますか(食べていましたか)。  小学生高学年、中学生に読んで欲しい一冊です。  そして、学校教育に携わるみなさんにお薦めです。
   もくじ 食べられない ── 葵 食べたくない ── 咲子 「いい子」の反乱 ── 葵 正しい改革のやり方 ── 咲子 物言わぬは腹ふくるるわざなり ── 葵 やがて自分になるもの ── 咲子 反転する世界 ── 葵 飲みこむ、吐き出す ── 咲子 綺麗だ ── 咲子 私にできること ── 葵 君の声を聞かせて ── 葵 明日死ぬなら ── 咲子 美味しいということ ── 葵 わたしは食べるのが下手 ── 咲子 要望書 参考文献 困ったときの相談先
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