6-23 親子の会話(2) - 最後まではっきり (昭和に生きる)
故・渥美利夫氏が還暦の年に著した『昭和に生きる』(1987(昭和62)年刊)からです。
渥美氏の教育実践、教育論は、“昔の話”ですが、その“根”そして“幹”となるものは、今の教育に活きるものです。これからの教育を創っていくヒントもあると思います。
この項は、「第四章 ハナノキの下で──教育断想」から構成されています。
この章では、新城小学校での校長室通信「考える」から、その時々の思い、気づきを新聞へ連載されたものです。
若い先生にとって、これからの「子供を育む」・「授業を考える」ことができるといいなあと思います。
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ハナノキの下で
1 教育シグナル
(つづき)
◎ 親子の会話(2)──最後まではっきり
“サンゴ族”という種族も、若い女の子になると、ご存じの「ウッソー」「ホントオー」「カワイー」を連発するようになる。あの小鳥のようなさえずりのおしゃべりの基本形はこの三語のようである。この基本形に「スゴイ」「エエッ」「ヤダー」「キモチワルイ」「ペツニー」「バカミターイ」「シンジラレナイ」の七語が加わって、十語ともなると、どっこい鬼に金棒、たいていの日常会話はこなせるらしい。
きちんとした文章でしゃべらないで、単語で間に合うというところが、この種族の特色となっているが、ただ単語を並べるだけで、ことがたりるとするならば、いっそのこと“タンゴ族”といってよいかもしれない。これは幼いころ、母親が子どもの話を先取りして、ああでもない、こうでもないと、全部しゃべってしまう後遺症ではないかという説がある。着目すべき説ではないか。
海外では、日本語を学ぶものが多いという。そのためかどうか日本語能力検定試験というものがあるらしい。一級は大学入試、二級は高校、三級は中学、四級は小学二年レペルだといわれる。このあたりで、サンゴ族、タンゴ族の能力を検定してもらったらどうだろう。おそらく、「キモチワルーイ」と叫ぶにちがいない。
子どもとの会話。親として最後まで子どもにはっきり話させるようにすることが、だいじなことではないかと思うが、いったいどんなものだろう。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「昭和に生きる」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、図書との関連はありません。
【おまけ】
天候の話題で、「異常気象」や「季節外れの」といった言葉を、よく耳にします。
昨日は、「例年より○○日早く『春一番』が吹いた…」といい、今日は一転して寒い日となりました。これも「例年になく…」なのでしょう。
例年がどうだったか忘れそうですが、この時期は“まだ寒さの続く頃”で、その後、三寒四温の天候を経て春になっていきます。
四季を愉しみ、季節を味わう暮らしでありたいと思います。
「まいにち防災」(テレビ朝日)は、過去、この時期起きた災害に、大雪や寒さの話題が続きます。
この時期は寒いのが“普通”かな。
◇まいにち防災〜災害を知り 命をまもる(テレビ朝日)