集団「Emication」別館

楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

こどもの読書週間。 3-3.9 新城小の試み(1) (昭和に生きる)

読書週間0428。 天気がよく暖かい一日でした。  4月23日は「子ども読書の日」、そして5月12日まで「2023年・第65回こどもの読書週間です。
 4月23日は「サン・ジョルディの日」「世界図書・著作権の日」でもあり、4月30日は「図書館記念日」、5月5日は「こどもの日」となっているため、「子ども読書の日こどもの読書週間」に合わせ、この時期に公共図書館や書店等で子どもと読書に関する催しや取組が多く行われています。
 ゴールデンウィーク、どんな本を読みますか。  故・渥美利夫氏が還暦の年に著した『昭和に生きる』(1987(昭和62)年刊)からです。  渥美氏の教育実践、教育論は、“昔の話”ですが、その“”そして“”となるものは、今の教育に活きるものです。これからの教育を創っていくヒントもあると思います。  本書のなかから、“その時”に読んで学んだ校長室通信を中心に紹介していきます。「考える」ことが、若い先生に見つかるといいなあと思います。  この項は、「小学校の校長として」から構成されています。 ********     戦後教育史の片隅に生きる     小学校の校長として  前述の著書『しやべる授業から見守る授業へ』の出版今機に、中日新聞が水曜日の「みんなの教育」欄で特集記事をくんだ。「主役、先生から子供へ」のテーマでわたしたちの歩みをとりあげたものである。   新城小の試み  授業風景も変わってきた。これまでの画一的な一斉授業が反省されているからだ。そんな中で子どもの発言や話し合いで進められる授業もある。先生はアドバイス役で、できるだけ出番が減らされている。先生中心から子ども中心に発想の転換だ。愛知県新城市立新城小学校の取り組みである。学校での実践記録がこのほど一冊の本にまとまった。「しやべる授業から見守る授業へ」(黎明書房)である。コペルニクス的転回だという。どんな授業内容なのだろうか。   授業に発送の転換を  これまでの授業といえば、先生が教え込む注入主義の教育である。先生が質問し、子どもが答えるやり方で正解が出るまでは先生が「では、ほかの人」とどこまでも続ける。しゃべるのはもっぱら先生。子どもは聞き役だった。それを逆転させ、クラスの半数が発言を目指す目標を決めていることだ。  授業内容でも固定的なのを修正し計画し流動的にする。正解も一つだったのを複数とするのだ。複数の正解とは、たとえば水は百度で沸騰するというが、実際には条件によってそれ以下の温度だって沸騰する。知識よりも実証を尊重する。 イラスト0428。 子どもたちが授業で発言し、話し合うことで、今までわからなかった事実を知ったり、新しい解釈にふれたり、問題を解決する楽しさを味わわせる。これで自ら考え、調べ、深め合う子どもを育てたいねらいからだ。  この授業方法は、問題解決学習といわれる社会科を中心に行なわれているが、国語や理科などほかの教科にも広げられるという。  このため、いろいろな試みが行なわれる。まず毎朝、学校で「朝の会」が開かれる。正味十五分ほどだが、一人ずつ当番の子がお話をする。うれしかったこと、あれっと思ったことをはじめ、昆虫、鳥、趣味、歴史などにも話題が及ぶ。もちろん質問も出る。時には、調べてあす続きを話すということもある。 (つづく) ********  注)これまでの記事は〈タグ「昭和に生きる」〉で  注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、図書との関連はありません。 【関連】   ◇こども読書週間読書推進運動協議会)   ◇国立国会図書館国際子ども図書館
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