次は…。『推し、燃ゆ』(宇佐見りん・著)
暖かい日になりました。
心地よい風を感じながら一日を過ごしました。
午後,地域の方からお話をお聞きしました。
「以前とは違って…。」「○○という対応(回答)で…。」
お話をお聞きし,一緒に“次”を考えました。
“明るいこれから”が見られるように…。
第164回芥川賞受賞,2021年本屋大賞ノミネートの『推し、燃ゆ』(河出書房新社・刊)を読みました。
先に“話題作”だからと読んだ『オルタネート』(加藤シゲアキ・著)と同じように,内容を詳しく知らず(調べず)に読みました。
題名の「推し」は,アイドルのファンでしょう,そして「燃ゆ」は,“萌え”ではなくSNSなどの炎上からきていそうだと想像して読み始めました。
主人公は,高校生の山下あかりで,アイドルグループまざま座の上野真幸のファンです。
推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。アイドルに夢中になる女の子の話と“ライト”に読み始めましたが,読み進むごとに“ハード(ヘビー)”な話でした。 アイドルへの関わり方について,こんな記述がありました。
アイドルとのかかわり方は十人十色で,推しのすべての行動を信奉する人もいれば,善し悪しがわからないファンとは言えないと批判する人もいる。推しを恋愛的に好きで作品には興味がない人,そういった感情はないが押しにリプライを送るなど積極的に触れ合う人,逆に作品だけが好きでスキャンダルなどに一切興味を示さない人,お金を使うことに集中する人,ファン同士の交流が好きな人。 あたしのスタンスは(略)主人公がアイドルを推すようすを「好きだから…」と表すのは十分ではなさそうです。 主人公の日常は「高校生らしく…」ではなさそうです。 主人公が“生きる”日常,“暮らす”日常は…。 あかりが,読み手の“年齢の壁”を超えて迫ってきます。 そして,あかりが“○○と重なって”語りかけてきます。 彼女に,あなたは…。 もう,読まれましたか。まだの方,いかがですか。 【関連】 ◇宇佐見りん『推し、燃ゆ』『かか』 (@rinrin_usami)(Twitter) ◇三島由紀夫賞(新潮社) ◇本屋大賞