時代小説を読みたいと思って見つけた『
浅草寺子屋よろず暦』(
角川春樹事務所・刊)です。
大滝信吾は、さる身の上を秘して、浅草寺の一角で寺子屋を開いている。
源吉や三太、おさよなど多くは町人の子だ。
そんな穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が助けを求めて駆け込んできた――大切な人々を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘うことに。
浅草の四季を舞台に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、果たして信吾は天命を見つけられるのか。
主人公
大滝信吾は、江戸有数の
名刹・
浅草寺の境内にある
正顕院で
寺子屋を開く20代の若者です。
大滝信吾は、代々御膳奉行を務める
大滝左衛門尉 の異母弟で、母親は芸者で妾でした。その育ちは、真っすぐ、そして兄夫婦や町の人とも良好な関係を築いていました。
寺子屋の師匠の信吾のもとへ、さまざまな問題が飛び込んできます。
中庭の灯籠へぶつからんばかりにして駆けてくる影がある。源吉の姉おみねが、ふだん血色のいい顔を強張らせて近づいてきた。
どうした、と聞くより早く、おみねが縁側に駆け寄り、息を喘がせて信吾を見つめる。只ならぬ気配を察した子どもたちが、当惑をあらわに(略)
その問題を解決するが、そこに新たな問題が…。
坊主頭の岩蔵、元締めの狸穴の閑右衛門、兄の大滝左衛門尉、正顕院の住職・光勝…
頬白、梟、燕、時鳥、百舌、鶸…
信吾は、降りかかった問題を、どのように解決していくのか。
“
手に汗握る”とは違うでしょうが、その展開にわくわく、どきどきします。
そして、信吾をはじめ登場する人々の“
優しさ”にキュッとします。
みなさんにお薦めの物語です。
目次
第一話 三社祭と鬼
第二話 紫陽花横丁
第三話 父と子
第四話 片陰
第五話 秋風吟
最終話 錦木
【参考;
年末年始】
先日(12/17)、「
年末年始の歳時から 【リンク集】」を掲載しました。
充実した年末をお過ごしください。
よい新年をお迎えください。