FM大阪の「
笑い飯 哲夫のサタデー★ナイト仏教」は、今月、
森三中の黒沢かずこさんをゲストに迎えています。
最近の放送(
Podcast)に、
○ 「善因善果」と「悪因悪果」
○ 「厄払い」と「厄除け」
の言葉が出てきました。
似ているようで違っている、別のことのようで似ている…。
言葉から、いろいろ考えました。
『
現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“
二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室
(つづき)
*“日本で一番美しい花”──ササユリ探訪教室──
可憐な花のササユリは私たちの住んでいる地域から西日本に向かって分布レ大輪の美しいヤマユリは中部地方から関東・東北にかけて自生している。ここ新城市一帯はササユリとヤマユリの両方が自生する貴重な地域である。
毎年「梅雨入り近し」を知らせるかのようにササユリが咲き、梅雨明けが近づくとヤマユリが心を和ませてくれる。ササユリ探訪教室は、この「花の裏舞台」をお聞きする。
○ササユリ・ヤマユリが減ってしまった
ササユリの花を知る地元の人たちは「一昔前は、ササユリもヤマユリも山や道端にたくさん咲いていた」と言う。ところが、最近ではよほどしっかり管理をしている所でないと見ることはできない。その原因は、4つほど考えられるという。
まずは「可憐な姿ゆえの乱獲」である。どちらのユリも「これが野生の花か」と思うほど美しい。そのため切花にしたり、球根を掘って家に持ち帰ったりされる。
次に環境の変化が考えられる。ササユリ・ヤマユリの生育に適した環境は、下草が生えている、水はけが良い、傾斜地、の3つであるが、近年、木が大きく成長して、ユリにとっては居心地が悪くなっている。
3つ目は、道端のユリが草刈りで刈られてしまうことである。ササユリ探訪の中心である「青年の家」近辺の山道も、毎年春と秋の2回道路脇の草刈りが行われる。そこで、ユリの横へ目印の竹を立ててユリを切らないようにお願いしたところ、翌年には3倍以上のササユリが咲いたことがある。
もう一つ困るのが虫や獣の害である。春になってササユリが成長しだすとその若芽を毛虫等の幼虫が食べる。猿はササユリに蕾(つぼみ)がついた頃ユリの花茎をしごいてしまう。最も困るのが猪の害で、夜になるのを待って球根を掘り食べてしまう。何とか手立てはないものかと考えるが、彼らには彼らの事情があるのだと思うと手の出し方がむずかしい。
○世話も楽しみ
ササユリ群生地の一つに県立桜渕公園南の「健康の道」がある。ここは地元の山崎信久さんと鈴木洋一さんが10年ほど前、何とか保護しようと竹の支えをし、毎年根気よく世話をしてきた。おかげで最近では数も増え散策する人たちの楽しみになっている。
ササユリの保護は、この世話をする楽しみで続けられ、それが見る人の楽しみへとつながっている。
「ササユリの皆さん いつもいつもこの里山に美しい花を咲かせてくれて ありがとう」。県立桜渕公園南の「健康の道」に、ササユリ感謝状が立っている。市民の目を楽しませてくれるお礼に、2001(平成13)年に「新城のササユリの皆様へ」市長の感謝状が送られた。それは同時に、ユリの世話を続けてくださる多くの方々への感謝を込めてであった。
○ササユリ・ヤマユリを種から増やしたい
ササユリもヤマユリも秋になると50個以上の種子をつけるが、自然の状態だと発芽するのはその数%にとどまる。種子を人工的に苗床に蒔けば、100%発芽する。この新芽を成長させて再び山へもどすことができるのだが、発芽はしても無事成長をとげるものはうんと少ない。ササユリとヤマユリは、秋に種を蒔いても発芽は翌々年の春になる。つまり1年余分にかかる。そして、花が咲くには更に5〜6年を必要とする。こうした年月の積み重ねの上に、あの美しい花が存在する。◆ こうした活動があるからこそ、土曜子ども教室として「ササユリ探訪会」が毎年開催できるのである。保護や栽培についてスライドと説明があり、そして「健康の道」や「青年の家」周辺の山歩き観察会へ、というのが探訪の定番である。
(つづく)
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注)
これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
【参考】
◇新城市の花「ササユリ」(2011/06/01
YouTube)