『できてるつもりのアクティブラーニング』(片山紀子・編著/森口光輔・著)
世間では,明日から10連休が始まります。
しかし,10連休なのは“会社員・勤め人”の話で,商店や観光地,交通機関に携わる方々は“休めない・休まない”と思います。
もし休んでいたら,「なんで休みなんだ!」とクレームを言う“休みの方”が現れそうです。
今回の10連休,すべてを休みにして,テレビも電気もなし,飲食店もコンビニも閉店だったら,静かな時間,ゆったりとした時間を過ごすようにしたらよかったと思うのですが…。
10連休の危惧は,経済や社会生活が“地球規模の動き(グローバル)”になっているなかで,日本だけが“10日間動かない”ことの影響が,恐慌への引き金とならないかということです。
さて,明日から,どのように過ごしますか。
「今さら,アクティブ・ラーニングですか?」と問われそうですが,都合(?)で読むことになった本『できてるつもりのアクティブラーニング』(学事出版)です。
学習指導要領の改訂に向けて「アクティブ・ラーニング」がキーワードとして注目されました。
「新しい教育は,アクティブ・ラーニングで…。」と,書店にさまざまな図書が並びました。
本書も2017年2月発行です。
その後,学習指導要領改訂案では,「アクティブ・ラーニング」という用語が無くなり,そのことを「主体的・対話的で深い学び」で表されました。
アクティブ・ラーニングは,2012(平成24)年8月の中央教育審議会の冊子で
【アクティブ・ラーニング】(p3、4、9) 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。と「用語集」で説明しています。 大学教育についての答申で使われており,小・中学校の授業では,“普通に”行われていたことですが,学習指導要領改訂のキーワードになったことで,小・中学校の先生方に大きく取り扱われてきたように思います。 本書では,小学校の“具体的な指導場面”を例にしながら,アクティブ・ラーニングの指導法について,“分かりやすく”伝えようとしています。 その中で,順に“子供への指導”が述べられており,教員(先生)が「さて,どのようにしたらよいか」に迷ったら,本書から“これ”を見つければよさそうです。
【話してほしい意見を取り上げて深める】 話し合ってほしい内容が含まれている意見を取り上げましょう。そこから対立していそうな意見を取り上げ,深めるとよいですね。これに続いて,具体的な“教師の言葉”が述べられ,それを真似ていけば,指導(形)ができそうです。 でも,そこに「なぜ」をもって読み進めて欲しい。 「話し合ってほしい(内容)って何」「深めるのは何故」「深まるってどういうこと」… そこから“教育”が見出せます。 若い先生,まず読んでみませんか。
目次 はじめに 第1章 それって「アクティブラーニング」ですか? 第2章 こんな授業になっていませんか? 第3章 なぜ今、アクティブラーニングなのか 第4章 これがほんとの「アクティブラーニング」型授業! 第5章 さらに深めるためには―ファシリテート 第6章 アクティブラーニングを成功させるためのテクニック 第7章 さあ、やってみよう! 第8章 おわりよければすべてよし おわりに 引用・参考文献