『ぐるぐるの図書室』(工藤純子 他・著)
今日は,“雨と強い風”と予報されていた通り,雨や風があったようで,「強風のために運転見合わせ」というニュースも流れていました。
そんな天気の日でしたが,出先で雨は降りましたが,移動するときには雨が上がっており,傘を使いませんでした。
一雨ごとに“春”が近づいてくるかな…。
「本を読んでいますか?」と問われて,「はい!」と元気に答える子供が増えていると感じています。でも,「いいえ」という子も少なくはありません。
本があるのは図書室(図書館),そこへ誘う『ぐるぐるの図書室(文学の扉)(講談社・刊)です。
舞台は,十々年(ととね)小学校の図書室です。
そして,この図書室は,ちょっと変わっています。入口に“貼り紙”があります。
「貼り紙は,どこでもあるでしょ。」と言われそうですが,この貼り紙は,“ある子”にだけ見えるものです。
プロローグは,次のように始まります。
学校の図書室には,不思議な雰囲気があると思いませんか? ほんのりと古い紙のにおいがして,ちょっとほこりっぽくて。 何より,たくさんの本があるでしょう? 本の宝箱。ひとたびふたを開ければ,そこにはまだ知らない物語が,きらきたと光りながら読み手を待っている。 (略) そんな図書室がある学校には,ある日,見慣れない女の人が現れるかもしれません。背が高く,髪の長いその人は,いつのまにか図書室にいて,そして貼り紙をすることでしょう。世にもきれいな茜色の貼り紙を…。 あなたが,それを目にすることができたら…。 そのときこそ,本当の不思議は始まるのです。図書室の貼り紙を見た5人の子供が,不思議な世界に入っていきます。 その貼り紙は,
・後戻りしたくてしょうがない人は,放課後,図書室に来てください。(真下 のぞみ;「時のラビリンス」) ・家に帰りたくない人は,放課後,図書室に来てください。(杉本 卓也;「妖怪食堂は大繁盛」) ・夢をかなえたい人は,放課後,図書室に来てください。(嶋原 光;「秘境ループ」) ・探し物がある人は,放課後,図書室に来てください。(大槻 現;「九月のサルは夢をみた」) ・やり残したことがある人は,放課後,図書室に来てください。(小山 樹;「やり残しは本の中で」)楽しいお話が,5人の作家のリレーで描かれます。 あなたにピッタリの一冊に出会える図書室に行きたくなりますよ。 図書室の前に,茜色の貼り紙がありませんか。 そこには,背が高く,髪の長い女の人が…。
目次 プロローグ 時のラビリンス (工藤純子) 妖怪食堂は大繁盛 (廣嶋玲子) 秘境ループ (濱野京子) 九月のサルは夢をみた (菅野雪虫) やり残しは本の中で (まはら三桃) エピローグ デビュー10周年記念・スペシャル座談会 本たちと私たちが出逢ったころのお話【関連】 ◇工藤純子 (@junku2011)(Twitter) ◇濱野京子 (@jbinye)(Twitter)